ソフトクリームとワンピース

今日は朝からダメになってしまっていて、昨日の反動みたいな日だった。

昼まで家にいて井上荒野さんの「しかたのない水」を読んでいた。読み進めるうちにこの人は絶対女性だな~とおもって調べたらその通りだった。あれのさん。本名なんだって。いい名前。ほかの作品も読んでみたい。

 

朝ごはんも昼ごはんもなんとなく食べて学校に行ったけど、道中に虫がこちらに向かって一目散に飛んできた。左耳をかすめていって、悲しくって涙がちょっとだけ出た。すこし進むと大きな虫が死んでいた。連続でこんな・・・なんて日なんだ。

 

進学を機に故郷から出て、1番最初に悲しいなと思ったのは虫にぶつかられたこと。

虫がすごい勢いで頬にぶつかってきてなにが起きたかわからず立ち尽くして、羽音が聞こえたなと思い出したあとに泣いて母に電話した。18才のとき。

今はだいぶ慣れて、ご機嫌なときは眉をひそめるくらいになった。慣れってすごいね。あと18才のわたしそんなことで泣かないでください・・・。

 

仲良しの女の子に会うとなぜだかわたしと同じように不機嫌だった。お互いに今日調子悪いねわかるなんでだろう曇りだから?って言い合ってソフトクリームを食べに行くことにした。

 

就職試験を週末に控えた男の子がひたすらに問題演習していた。DEAN&DELUCAの店舗がないところでは働きたくないと言っていた田舎育ちのシティボーイ。なんて可愛い基準で分かりやすいのかしら。

この人を見ていると服や髪や好みのセンスは後天的な要素も含まれているのだなあと思う。

おいこまれている」と抑揚のない声で言っていた。筆記試験から逃げていなくてえらい。

激励のつもりでチョコレートをあげた。そういえば、抑揚のない声って出すの難しくない?

 

ソフトクリーム食べてすこし勉強して友達と電話したらとても元気になった。外に出るの大事かも。

 

帰り道、湿度が高くてやんなっちゃうわと歩きながらふと足元を見ると、街灯にてらされて大きめシルエットのワンピースが浮かび上がって、かわいくって嬉しくなった。両手を地面と平行になるようにあげて出来るシルエットをしばらく見ていた。くるくる回りそう。